(1)「独身の日」は全てにおいて昨年を上回るセールだった
独身の日とは、11月11日に中国を中心に開催される1年で最も大きなバーゲンセールです。
日本企業もこの「W11(独身の日)」に多数参加しており、今回はこの日、日本の商品では何がよく売れたのか紹介します。
まずは、今年の「独身の日」の数値的内容を紹介します。
2019年の最終取引額は天猫が2684億元(約4兆1600億円)、京東が2044億元(3兆1700億円)という結果になりました。
前年比成長率は天猫が26%、京東が28%です。どちらも取引額を更新しています。
また、利用者は5億人。注文数13億件。この件数は1日のアリババ天猫(Tmall)の数値です。参加ブランド数は20万ブランド。
注目すべきは、利用者の数です。昨年は4億人でしたが、今年は5億人と、1億人も利用者が増えている点です。北京や上海、広州以外の地方圏にも利用者が増加したことを示しています。
(2)日本企業も21社がランクイン
「独身の日」1日で、売上1億元(約15億4,344万)以上が昨年の約2倍の299店舗ありました。
その中で、日本企業は、21ブランドがランクインしています。
昨年は、6ブランドでしたから、大躍進と言えるでしょう。
輸入商品のトップ20ランキングでは、1位にヤーマン、3位に花王、7位などムーニーなどがあり、ここでも日本企業が7社もランクインしています。
(3)売れ筋商品は化粧品、美容用品
日本企業は中国におけるブランディングが浸透し、資生堂やユニクロ以外の家電製品なども売り上げを伸ばしています。 以下が、売り上げを伸ばした商品です。
●ユニクロ「ヒートテック タートルネックT長袖」/販売件数:20万件以上
●SK-II「ピテラ エッセンス スターターキット」/販売件数:10万件以上
●ヤーマン「Bloom」(美顔器)/販売件数:1万件以上
●コスメデコルテ(コーセー)「ヴィタ ドレーブ」(化粧水)/販売件数:7万件以上
●資生堂「アルティミューン パワライジング N キット」/販売件数:9.5万件以上
●キヤノン「インクジェットプリンター TS3180」/販売件数:2.5万件以上
●花王「メリーズ L54枚」(おむつ)/販売件数:10万件以上
●パナソニック「ドライヤー」/販売件数:2.5万件以上
(4)今年の「独身の日」の特徴は「ライブコマース」と「高額商品の取引」
アリババの今年のセールの特徴を見ると、「ライブコマース」を盛んに行っていたことでしょう。
インフルエンサーと呼ばれる中国「KOL」が、商品紹介する動画をEC上でライブ(生)配信していたようです。
セール開始後の10時間の経過の時点では、約半数のブランドがライブストリーミングを活用しており、商品を試す様子や生産工程など実況し、積極的なPR活動が行われていたようです。
また、中国には富裕層(保有資産の額が世界の上位10%)の人数が、アメリカの9,900万人に対し、中国は1億人となった事実を反映してか、今回の「独身の日」では高額商品が次々に売れていったようです。
例えば、高額なマンションの競売には47人が名乗りをあげたり、自動車は1秒に55台を売り上げるなどです。
中国「独身の日(W11)」は、日本とは桁違いのハイテンションなセールと言えるでしょうか。おかけ様で、今年の「独身の日」弊社には数多くの商品を売れましたが、来年に向けてインフルエンサーをさらに生かして、今年と桁違いの商品を中国のお客様に提供できるように頑張りたいと思います。
参考資料: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191121-00000001-netshop-sci等